コロナウイルスの影響によって収入が減って生活が苦しくなった家計を支えるために原則無担保・保証人不用で生活資金の貸付を行う、緊急小口資金/総合支援資金の申し込みがスタートしました。
公な場所に行かなければならないということで、少々ハードルが高いと思っている方や、「給付」ではなく「貸付」型で、あくまで借入なのでどうしようかと悩まれてる方もいらっしゃると思います。
普段こういったことであまり影響を受けない業界ですが、さすがにコロナウイルスの打撃を受け収入が減ってしまいました。
正直頼りない貸付金額ではありますが、ないよりは全然ありがたいのでさっそく申し込みへ。躊躇されてる方もおられると思うので、どんなものか簡単にレポートしたいと思います。
緊急小口資金を活用する
緊急小口資金とは、コロナウイルス関連による支援制度で、当面の生活資金を国が貸付てくれます。正式名称は「生活福祉資金貸付制度の特例」です。
緊急小口資金
無利子・保証人不要
コロナの影響で減収した世帯
個人事業主▶︎20万円まで
その他の世帯▶︎10万円まで
償還期限▶︎2年(据置期間1年)
※償還開始時に収入減が続く方は返済不要
総合支援資金
無利子・保証人不要
主に失業した世帯
2世帯以上▶︎月20万円
単身▶月15万円
︎償還期限▶︎10年(据置期間1年)
※償還開始時に収入減が続く方は返済不要
※据置期間とは、「貸付を受けていつから返済するか」という期間です。どちらも最大で1年後から返済がスタートするという意味です。
※償還期限とは、「いつまでに返済を終えるか」という返済期限のことで、緊急小口資金の場合は2年以内、総合支援資金の場合は10年以内となります。
※執筆時点どちらもまだ返済不要になる明確な詳細がまだありません。
総合支援資金も合わせれば、なかなかの金額になりますよね。この生活福祉資金貸付制度の特例は、住民税非課税世帯でなくても無利子かつ返済猶予も長い、これはかなり破格の待遇だと思います。
審査の敷居もだいぶ低く設定されてるようで、やはりコロナ関連の緊急性がうかがえますね。
ただし行けばすぐに審査が始まって貸付てくれるのではなく、あくまで市町村の社会福祉協議会は緊急小口資金の窓口となっていて、必要な資料を揃えて提出した後、お住まいの都道府県が判断し、指定口座に振込まれるとのことです。
緊急小口資金+生活福祉資金
ここで気をつけねばならないのは、緊急小口資金と生活福祉資金のどちらも受けたい場合。
緊急小口資金と生活福祉資金は、別々に書類を用意して、別々に申し込みをする必要があります。
また総合支援資金を受けてから緊急小口資金を受けることはできませんが、緊急小口資金を受けてから総合支援資金を受けることはできます。ちょっとややこしいですね笑
とはいえ、緊急小口資金や総合支援資金を受けれた方は、電気ガス料金も支払いが猶予されます。特に今回は大型の予算が組まれており、本当に生活に困った方の大事なセーフティネットですので活用しましょう。
申し込みは社会福祉協議会で
僕の場合は失業には至ってないので、今回は緊急小口資金のみの申込みになります。
お住まいの市町村の社会福祉協議会というところで受付ています。
が、社会福祉協議会といっても、なかなか僕らには馴染みのない名前ですよね。場所がわからない場合は「〇〇〇(お住まいの市町村) 社会福祉協議会」と検索すればヒットします。
東大阪市の場合は写真のように、ボランティアや生活自立支援センターなど、社会福祉協議会といってもいくつかあって迷ったのですが、ひとまず「総務課」に行ったところ、どうやら正解だったようで、すぐに受け付けてくれました。
この辺りも各市町村によって変わってくるので、訪問前に一度電話をして確認をするのがおすすめです。
緊急小口資金の申し込み方法
社会福祉協議会に入ると窓口があると思うので「緊急小口資金について相談に来ました」というと、簡単な受付用紙をもらえるので記入→待合室で待機の流れです。
記入方法は受付の方が教えてくれるので、戸惑うことはないと思います。
コロナ関連の緊急小口資金は、3月25日からスタートしたまだ新しい特例制度なので、かなりの人で溢れかえってると思いきや、意外に待ち時間も5分となく、担当の方がいらしてくれました。
面談形式のヒアリング
ここからは別室で担当の方とのヒアリングがスタートします。
僕以外にも何名か相談されてましたが、顔が見えないような配置でテーブルが並んでおり、最低限のプライバシーは確保されているといった感じです。
ヒアリングと説明込みで30分ほどで終了。話し終えた個人的な感想は、「どうすれば満額貸付てくれるか」というスタンスで話を聞いていただけてるような印象でした。
結婚されてる方やお子さんがいる方は、アドバイスの内容も変わってくると思うので、このタイミングで相談されると良いかと思います。
参考に僕のケースを列挙しておきます。
・しかし病院では受診拒否をされ続け、結局コロナかどうかわからなかった
・濃厚接触者になるので、万が一を考えて2週間程度自宅で隔離体制に入った
・隔離により施工が遅れ、納期が伸び支払いが先送りになり資金繰りのリズムが崩れた
・個人事業主なので貸付は20万円以内
それぞれを細かく説明してしまうと長くなるので端折りますが、大事なポイントは「コロナの影響によって、どうやって収入が減ったのか」を明確に担当の方に説明すること。
親身になって話を聞いてもらえるので、正直になんでも話すことが満額貸付の一番の近道です。各状況に応じで的確にアドバイスをしてくれます。
減収の証明方法
いくら緊急小口資金用に多く予算が出たとはいえ、誰にでもすんなりと貸付てくれるわけではありません。
「コロナ関連の影響でどう収入が減ったのか」が証明できる資料(売上の帳簿など)が必要になります。
緊急小口資金を受ける場合、本来であれば先月・先々月の売り上げと比較しなければなりません。
しかし僕らのような成功報酬型の個人事業主は、定期的に決まった金額が一定に振込まれるわけでもなく、閑散期と繁忙期の差が激しいので、減収の証明は難しいと思います。
担当の方もそういった事業主への対応は慣れているようで、以下のような記入用紙を見せてくれ、前年度からの月別の収入を書いて比較することになりました。
特にそれを証明する通帳のコピーなどは必要ないとのことです。これもありがたいですね。
必要な書類
これらが申し込みに必要な書類一覧です。
※社会福祉協議会に相談へ行く時はこれらの書類は必要ありません。説明を受けた後に取り寄せればOK。
一連の流れは以下です。
とはいえ、中には急を要する方もいらっしゃると思います。事前に役所へ行って必要な書類を揃えておくと、おのずと早く提出できます。僕はたまたま確定申告用に住民票などの書類は取得済みだったので、コピーだけで済みました。
必ずしも満額貸付てもらえるわけではない
こんな急を要する時に残念なタイトルをつけてしまいましたが、いくら貸付てもらえるかの判断は前述したように、都道府県に決定されるので、事前にはわからないとのこと。
僕の場合、20万円で提出しても15万円や12万円に減額になるかもしれません。この辺りは公庫などと一緒ですね。
また、現在申し込みが殺到しているようで、担当の方は振込までに1週間〜10日ほどかかるようです。
振込までに早ければ3日と聞いていただけに、時間がかかる印象でしたが、こればっかりは仕方ありません。
本当に資金が必要な方は、なるべく早く社会福祉協議会へ相談に行かれることをおすすめします。
急を要する方はまずは申込みを!
東大阪の担当の方は1日平均30件ほど問い合わせがあるとおっしゃっていました。
日々刻々と変化し拡大するコロナウイルスの影響で、今後は問い合わせもより多くなり、社会福祉協議会に人が殺到する可能性も高く、相談までにかなり時間がかかることも想定されます。
ニュースをみていると現金10万円の給付も検討されてますが、成立するかどうかもわからない今、貸付とはいえ大切な生活のセーフティネットです。
据置期間も1年あるので立て直しもできますし、迷っている方や困っている方は、まず相談に行かれてはいかがでしょうか:)