旧Denime Lot/991
このタイトルをクリックしたってことは、今手元にあるのはダルチザンかい?それともリアルマッコイズかな?
とにかくおめでとう!
手元にあるその一本の門出を素晴らしいものにするためにこのブログを読んでくれてるから、全ての知識と経験を君のために捧げるよ。
「ジーンズは人生の異名」by 俺氏
ありがとう!!!
はじめに
1990年にリーバイス501ボタンフライ+赤耳を叔父から譲り受けた。左足はねじれてアタリが正面にあり、鮮やかなタテ落ち。それでいて深いインディゴブルーが輝く、小4でジーンズをデニムと呼ぶ生意気なクソガキには有り余る至極の一品だった。
あれから23年、まず伝えたいのは「ジーンズは洗って育てろ!」ということ。
1回履いて一回洗うという洗濯サイクルの話じゃなくて「洗わない方がいい」という一般常識を「綿は洗うことで蘇る」というワードで上書き保存してほしい!
理由は汗にある
汗を吸った綿は乾くと腐蝕が始まる。その元となるバイ菌メンがいい仕事をしてくれるのでジーンズは味がでるわけだ。
だが度が過ぎれば破れやすく、縫製の糸が切れやすくなって、ある瞬間からジーンズは一気に傷み始める。せっかく納得のいく育て方をしても、ジーンズ自体がボロボロで履けなくなっては元も子もない。
確かに買ったブランドに持って行けば、そのブランド流の「直し」をしてくれてより一層雰囲気は増してくるが、それはあくまで4〜5年が経過した様な中堅ジーンズの話。
洗濯をして生地を締めて蘇らせる。この作業があって始めて「デニムを育てる」という境地にたどり着ける。
ユーズドジーンズとボロボロジーンズは全くの別物なのだ!
新しい状態でもよく擦れる裾(すそ)などは縫製の糸が切れ易いので注意が必要だ。ジーンズを洗いたくない場合は裾だけに熱湯(70度前後)をかけて糸を締めて強くするのがオススメ!
ここで一句
By 俺氏
デニム イズ ライフスタイル
王道のワンウォッシュ
上品でありながら力強い質感、深く濃いインディゴブルーに色褪せてない黄色のコットンステッチ。輝くリベット。これぞジーンズという存在感をいかんなく発揮してくれる状態がワンウォッシュだ。
ここからアタリやヒゲが出るまでの期間はジーンズブランドやデニムのオンスによって違ってくるが、最低でも半年から1年はかかる。その間インディゴブルーを楽しみつつ、一年間は4回以内の洗濯でとどめておきたい。
洗濯の目安は「アタリの出具合」。
アタリが出る前に洗濯を繰り返してしまうと濃淡が付かずきれいに仕上がらない。ワンウォッシュから半年間は洗濯ナシ。もしくは1、2回が限界でないだろうか。
ヒゲに関してはよほどでない限り簡単に出てくるので問題ないが、アタリとタテ落ちを出すためにはワンウォッシュ時代が要と思ってもらっていいだろう。
ノンウォッシュも楽しめる!
ある時期まで買ったら即洗う「ワンウォッシュ派」だったが、ある時から貴重なノンウォッシュ時代から履いてみたところ、黒に近い青の色合いといい、糊(のり)が効いたバリッと感といい、個人的にツボってしまって、それ以降はノンウォッシュを一定期間楽しむようにしている。
しかもワンウォッシュから履くより、ノンウォッシュから履いた方が、アタリもヒゲも出やすい統計が出たのはタナボタだった。
ジーンズの洗い方
洗濯サイクルに関しては個人の経験も大事だが、デニムによって違ってくるので、自分の店のジーンズの生地や糸の性質を一番理解しているショップスタッフに聞くのが一番だと思う。ただ洗濯方法に関しては個人レベルで注意していきたいところ。
今回はあらゆる方法を試してきた中で一番スタンダードな方法を紹介する!
洗濯機の設定
水量は洗濯機の最小。
すすぎなし。水が多すぎると色落ちが多くなってる気がしたことがあったので最小にしている
洗う時間
極力短時間(5分弱)で済ませる。
早く色落ちさせたい場合でも、アタリやヒゲが出るまでは我慢して短時間で済ませるのが吉
洗濯方法
裏返しにして洗濯ネットにも、洗剤も入れずにガンガン洗う。手洗いモードとかソフトタッチ系は必要なし
脱水は徹底的に
普通に洗ったらすすがずに即脱水モード。脱水は洗濯機判断のフルタイムでやるのがベスト!
ここがポイント!
脱水後は赤耳(ミミ)がよれたり閉じたりしているので、強く叩いて上から下までしっかり開いて伸ばすこと。早くアタリを出したい人はアイロンを当てて伸ばす。統計は出てないが、ジーパンの全てを教えてくれた叔父がそうしていたから今だにその教えを守り続けている。
さて、次がいよいよ最重要ポイント!
乾燥機でガンガン縮ませる!
コレ。
ここです、重要なのは乾燥機なんです。
ジーンズを育てて行く上で一番重要なのは乾燥機を使うか使わないか。ここで勝負が決まるんです。
レプリカジーンズの見本であり憧れである、リーバイスのデッドストックジーンズがハイセンスな都会的なジーンズか。
違う。
大戦をも乗り越え、物資が不足してる時代を経験している。
大切に、宝の様に履かれたジーンズか。
違う。
労働着として開発され、労働者がガンガン履いて働いて汗を吸い、ガンガン洗って乾燥機にぶち込む。
これをただひたすら、来る日も来る日も繰り返してこの世のデッドストックジーンズは世に生まれたわけだ。
だから洗剤入れてたっていいんです。別にすすぎもしたっていいんです。洗濯時間もこだわらなくてもいいんです。
乾燥機にぶち込むアメリカンスタイルだけを徹底してこだわればユーズドジーンズは仕上がるんです。
中学時代、20分かけてコインランドリーにチャリで行っていた俺氏。
一人暮らしの引越しも、コインランドリーが近くにあるところを探した俺氏。
なかったら電車に乗ってコインランドリーへ行った気持ち悪い俺氏。
徹底して家庭の乾燥機には出せない多大な熱量を求めて、聖地コインランドリーへ行きました。
ジーパンのアタリ、ヒゲ、ヨレ、雰囲気に一番必要なのは業務用ランドリーが生み出す縮みなんです!
ここで2句
業務用/サンクチュアリを/求めつつ
by 俺氏
今回のマジで!乾燥機こそ重要!
細かな洗濯方法を記述したクセに、最後はコインランドリーで全てをひっくり返してしまいました。でもそれほどコインランドリーとデニムは切り離せない関係です。
もしコインランドリーに行けない場合は、洗濯時間を伸ばして、しっかり縮ませてください。そして脱水をしっかりして、ミミを伸ばして日陰干しすればOKです!
お勧めのレプリカジーンズのブランドも紹介しようと思いましたが、長くなったので次回またエントリーしたいと思います。
デニムにはその人にしか出せないアタリやヒゲがあって、オリジナルの一本が必ず完成するので、デニム野郎は愛情たっぷりで育ててあげてください!
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