先日、京都の烏丸御池にある京都文化博物館へ行った帰りに、ランチはどうしようかとネットで調べたところ、美味しそうな蕎麦屋さんを見つけたので行ってきました。
京都のお蕎麦屋さん検索で気をつけたのは二点。
- 値段は兎も角として味
- 味は良くても敷居は低い
京都の蕎麦屋って時点でほぼほぼ高いですからね、店舗数も多いし。
美味しいお蕎麦をお手頃でっていうよりも、高くてもいいから「美味い本気の蕎麦を食らいたい」。
今回そんなセンサーが反応したのは「本家尾張屋(ほんけおわりや)本店」さん。
なんと1465年創業
…は?(゚Д゚)
ココで
簡単に15世紀のおさらいコーナー
インカ帝国ではマチュピチュが着工、建設、完成
ジャンヌダルク生誕→死刑
寛正の飢饉。創業4年前には京都で飢饉と疫病で8万2千人の死者→応仁の乱勃発
大航海時代に突入。コロンブスがアメリカ到着(新世界発見)
テンションだけで決定するには敷居の高さパネかった…
創業540余年の老舗でニシンそばを喰らう
寛正六年(1465年)創業の本家尾張屋 本店さん。訪れると悠久の時に想いを馳せてしまいそうな貫禄の建物。威風堂々のたたずまい。
明治時代の建築
蕎麦菓子として創業、蕎麦処としては江戸以降から始められたそうです。
僕が頼んだのはニシンそば(税込1,188円)と小丼(税込378円)。良心的な価格。
小丼はお蕎麦を注文した時のみに発動できるオプション。こういうのがツボを押さえててたまりませんね。男子だとお蕎麦だけでは腹5分目のはず。
妻はこちらの天せいろを注文。
御用蕎麦司
とても美味しくいただいたので少し調べてみると、こちらの本家尾張屋さんは、幕府の許可を得て菓子を作る、蕎麦を使った菓子司を務めていたそうで、江戸時代に入るとお蕎麦処としても営業し、宮中御用達も務め、暖簾にもある「御用蕎麦司」としてし現在に至るまで暖簾を守ってきたそうです。
関西はどちらかというと「うどん文化」の方が根強く、僕自身お蕎麦を食べる機会が少なかったので、ここ京都にこんなにも由緒ある老舗のお店があることを知りませんでした。
気になる540余年のお味
お蕎麦はうんちく言えるほど食してないので何も言えませんが、兎に角ニシンそばが大好きです。
お蕎麦は鴨やせいろが定番ですが、僕はオールシーズンニシン。そんな僕はここのニシンそばが一番好きになりました。そんな感じでもうお出汁が逸脱。これはちょっとマネできるレベルじゃない。
関西特有のお出汁です。美味しいか美味しくないかと聞かれれば、これが関西の味。いや京都の味だと言い切れるでしょう。七味を振りかけ頂きましたが、やや山椒が強めに感じました。苦手な方は控えめにされて、味を見てからにした方がお出汁が損なわれずグッド。
このお出汁、関東の方だとだいぶ薄口に感じるかもしれませんが、最初の一口から最後の一滴までしっかり効いていて、逐一お出汁のアプローチが凄すぎます。
一緒に食べた小丼は少し濃口に味付けたお出汁+溶き卵が文句無しに旨い。完璧です。
ただ普通、これを食べてから蕎麦にいっちゃうともう味がしないはずなんですよね。でもちゃんとそばを喰らってる実感があるんです。これは本当に驚きました。
人が気持ちいい
お昼の13時を回ってましたが、並んでこそないもののお客さんは途切れることなくといった感じで、外国の方も来られていました。
普段から観光客の方が多く訪問されるのか、店員さんの接客も安定で的確で気持ちが良く、何よりもここまでの老舗が、「老舗感」を出さずに「歴史を提供してくれている」ことに有り難みを感じます。
外国の方もこういう建物から含めた圧倒的に歴史があるカルチャーに触れれると日本に来た甲斐がありますよね。
流行りではなく、食べにきた人を惹き込んでいく感覚。そうして幾星霜に渡って、その時代々々の人たちと手を取り合うことで、現代までその息吹が続いたのかなぁと想いが巡ります。
明治維新を支えた人たちも、もしかしたら口にしたのかもしれませんね!
今回はマジで感銘を受けました。
こんなストリート育ちでも元気の良い挨拶で迎え入れてくれた懐の深い蕎麦処「本家尾張屋 本店」さん!
京都に来たら一度は訪れてみてください!京都をお腹の中から満喫させてくれます。
また、僕も行ってきた京都文化博物館では「レオナルド・ダ・ヴィンチと「アンギアーリの戦い」展~日本初公開「タヴォラ・ドーリア」の謎~」が大絶賛公開中!
[京都文化博物館]
博物館なので写真はありませんが、歩いて行ける距離なので同時に訪問されてはいかがでしょうか!
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